(株)SRA OSS代表取締役 石井達夫氏①~OSSビジネスの拡大/何か秘策はあるんですか?~
――ありきたりですけど、とりあえず今回発足した協議会のねらいからお話いただけますか。前もって話すことを決めちゃうと、面白くも何ともないんで、あとは随時ということにしましょう。
石井 じゃ、そうことにしますか。ということで、主旨に関してはニュースリリースに書いてある通りなんで……。とりあえずお話しすると、6月4日に配ったニュースリリースにもあるように、「OSS」っていうと、だいたいの人はLinuxを思い浮かべるでしょ? なるほどLinuxはそこそこに普及し始めたので当然といえば当然なんですが、DBMS(データベース管理システム)やミドルウェアはどうかというと、まだピンとこない人が少なくない。
――PostgreSQLとかMySQLとか、そこそこに普及してるでしょう?
石井 さらに加速させたいし、それともう一つ、「OSSはタダ」という認識が強くて、なかなかビジネスにつながっていないわけですよ。そのあたりを何とかしようよ、というのがOBCIのねらいなんです。
――基本的なことをうかがいます。この話はいつごろから動いていたんですか?
石井 具体的になったのは今年に入ってからですね。電通国際さんも野村総研さんもそれぞれ個別にはOSSのビジネス化に取り組んでいるんだけれど、単独でできることは限られている。OSSの認識をDBMSやミドルウェア、さらにアプリケーションの領域に広げるには、1社では無理じゃないか。市場が広がらないことには、競争もできないよね、という共通認識があったから、トントンとまとまった。
――電通国際と野村総研を相手に、会社と会社の話としてまとめるのはけっこう大変だったんじゃないですか?
石井 そうでもなかったですよ。3社が共同出資で新会社を作るとかいうのじゃないですから。プロモーションのためのコンソーシアムで、何千万円もお金がかかるわけでもないし。
“屋上屋”になるんじゃないか
――OSSの普及促進ということでは、これまでも色々なコンソーシアムとか協議会が発足して、それぞれに活動している。IPA(情報処理推進機構)もOSSセンターを作っているし、総務省は地方公共団体にOSSの採用を推奨している。発表資料を読んだとき最初に思った素朴な疑問は、なぜ新たなコンソーシアムか、ということでした。屋上屋を架することになりはしないか、と思うんです。これまでと何がどう違うんですか。
石井 基本的には、これまでの普及促進活動に対する反省からスタートしているんです。これまで一般化するにはまず「OSSって何ですか」というところから始まって、それが唯一の普及活動だったと思うんですね。でも対象にしていた人は、もともとそれなりにOSSに関心がある人たちで、だからOSS普及のプロモーションはそういう人やエンジニアを対象にやってきたわけです。ふと見回したとき、OSはそれなりに普及しているけれど、初期のころからやってきた人たちで固まっていて、この先どうなるんだろう、という素朴な疑問があったんです。それはそれなりに重要なことなんだけれど、OBCIはそれをもう一歩進めていきたいと考えている。
――これまでの普及促進活動って、どうしてもエンジニア主導でしたよね。エンジニアのコミュニティで話が盛り上がって、それが会社を動かして、っていうのがOSSの世界の形だった。
石井 OSSはまだまだ知られていないし、普及したとはいってもWindowsのようには普及していない。それを使うのが当たり前、とはなっていませんから。OSSに関心がないというか、無関係でいる人たちまで巻き込んでいかないと、ホントの普及とはいえないんじゃないか。それで新しい協議会を発足させたわけです。実際にOSSを使っているユーザーの生の声を伝えていこう、と。
――う~ん。それだけじゃ、これまでの組織と何がどう違うのか、はっきりしないな。みんな異口同音に「これからはOSSですよ」「OSSをどんどん使いましょうよ」って言うだけでしょ?
石井 エンジニア主導だとそうなってしまう。それとベンダーが主体で、ユーザーの視点がない。当座、OBCIもOSSの普及に関心があるベンダーが正会員として集まって、どういうプロモーションをしていくかを考えましょう、ということなんだけど。
――参加を表明しているのはいま何社ぐらい?
石井 OSSのプロダクトベンダーではオープンCRMとかターボリナックス、サンマイクロ、SI的な立場で日立システムアンドサービスとかフライトシステムコンサルティングとか。それと呼びかけ人3社はそれなりにOSSユーザー団体とコンタクトを持ってますから。
――オープンCRMっていうのは、SugarCRMですね、つい先ごろ社名変更した。日本IBMとか住商情報さんとかが参加してくれたら、かなり知名度が上がるよね。で、これからOSSを勉強しましょう、っていう会社の参加は?
石井 それはたぶん、参加費無料の一般会員でしょうね。正会員は年間60万円払うわけだから、真正面からビジネス化に取り組んでいるか、取り組もうと考えている会社が対象になりますよね。そういう企業さんに大勢集まってもらって、みんなで「わたしたちはOSSをやってます」という声を上げていって、ユーザーの関心を高めていく。OSSがちゃんと役に立っている、っていうことを、事例を通じてユーザーに知ってもらいたい。
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