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金衡坤氏(韓国トゥービーソフト代表取締役) これからはREA 目指すは“汎アジア企業”②

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ITの関係もいい方向

 あ、それはわたしも同じです。東京には何度も来てますが、自分が東京のどこにいるのか、いまだによく分からない。

 ――お互いさま、というところですね。5年前だったか、いちばん寒い2月のソウルで2週間ほど過ごしたとき、空き日を利用して復元中の景北宮を観たり、街をウロウロした程度です。裏路地を当て所なく歩くのが好きなんです。それと去年、南大門からもくもくと煙が上がっているのを見て唖然としました。南大門を見ると、ソウルに来たぞ~、という感じがしましたから。思わず「ウソだろ?」と言ってしまった。

 あれは韓国人にとって、本当に悲しいことでした。国宝一号というだけでなく、韓国の歴史そのものですから。

 ――IMFのあと日本で韓流ブームがあって、サッカー・ワールドカップの共催とかで、「近くて遠い国」はかなり近づいたんじゃないですか?

 ITの領域でも、両国の関係はいい方向に進んでいると思います。それをさらに進めていくには、韓国の事情を知っている日本の記者の方が非常にたいせつなんです。報道していただけるだけでなく、取材を通じて日本の状況を教えていただけるし、ある意味でアドバイスもいただけるわけですから。

 ――さて、どれほどお役に立てるか。とはいえ、いつまでも雑談というわけには行きません。話の取っ掛かりとして、「XPLATFORM(エックスプラットフォーム)」からいきましょう。昨年、お国の最高賞を受賞されたと聞いています。最初に「おめでとうございました」と言わなきゃいけませんでしたね。

 ありがとうございます。おかげさまで「新ソフト部門大統領大賞」をいただきました。国産の優秀なIT製品を表彰するもので、大統領賞は最優秀の評価ということになります。

 ――お国のIT企業にとっては、たいへん名誉なことなんでしょう? 何年か前、居合わせたCOEXのホテルでたまたま表彰式があって、取材陣に紛れ込んだことがあります。真っ暗な中に勇ましい登場曲が鳴り渡って、入り口にスポットライトが当てられて。格闘技イベントのようにショウアップされた表彰式でした。報道関係者が大勢きていて、カメラのフラッシュもすごかった。

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   Web2.0が追い風

 派手すぎて、気恥ずかしいくらいですよ(笑)。「XPLATFORM」は一言でいうとリッチ・クライアントのデータ連携型Webアプリケーション開発環境ですが、既存の同じようなプロダクトと比べ、たいへん使いやすい。異なるデータベースからユーザーがリクエストしたデータを呼んできて統合するマッシュアップ機能、直感的なオブジェクト指向のユーザー・インターフェースなどが受け入れられています。

 ――よく似たソフトに、同じ韓国のオズウェブテクノロジー(フォーシーエス)社が作った「OZ(オズ)」という製品がありますね。日本では大日本印刷、東京計器といった企業が採用しています。それとどう違うんですか?

 インターネット上に散在しているデータをマッシュアップするという点では大きな違いはありません。「OZ」はCurlと同じRIA(Rich Internet Application)と呼ばれる領域のソフトで、経営情報管理や顧客情報管理などに向いている。当社の「XPLATFORM」はアプリケーション・レベルの連携も可能で、情報共有、ナレッジマネージメントにも適用できる。そこでRIAと区別するために、REA(Rich Enterprise Application)と呼んでいます。

 ――トゥービーソフト社を設立したのはいつ?

金 2000年の7月でした。3年目にやっと「MiPlatform」という製品を出すことができました。それまではシステム開発の受託などで会社を運営しましたが、社員全員が満足な給料をもらえなかった。今は売上高が約140億ウォン、従業員は150人の規模です。

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